THE TOKYO CORKのデザインスツール。それは東京で起きている、小さくて大きな資源循環!

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座面部分は、東京で集められたコルクを再資源化したもの

アイアンフレームとコルクだけでつくられたシンプルなデザインスツール「STOPPER STOOL CLEAR」(¥41,040/税込)。職人の手でひとつひとつ丁寧に仕上げたハンドメイドなプロダクトで、シンプルながら存在感は抜群。空間のアクセントにもなるスタイリッシュな佇まい。それでいてちゃんと実用的。座面のコルクはなんとも温かみがあり、さりげなく空間に置いておきたい逸品だ。ところで実は座面に使われているコルクは、使用済のコルク栓を再資源化したもので、この座面部分で約350個のコルク栓が使用されていることになるという。

優れたデザイン性。さまざまな雑誌に取り上げられるほど。

コルクは「100%輸入」ではなくなった?!

9年に一度、コルク樫の樹皮を剥いて作られる天然素材コルク。コルク樫は、地中海沿岸部などの限られた地域でしか育たないため、日本ではコルクを作ることができない。つまり日本で使用されているコルクは100%輸入頼みということになる。ところがここ数年、それは100%ではなくなった。都内で食事をした際にコルク栓がいっぱい入ったボックスを見かけたことはないだろうか。これは「TOKYO CORK PROJECT(トーキョー コルク プロジェクト)」によるコルク栓の回収ボックス。このボックスで集めたコルク栓を国内で資源として再生し、国内でプロダクト化しているのだ。

東京を「再生資源の宝庫」と捉え直してみる

2015年の酒税調査によれば、東京は年間でボトル約1億5000万本、日本全体の約1/3を消費している計算になるという。「TOKYO CORK PROJECT」は、この大消費都市・東京を「再生資源の宝庫」と捉え直すことから始まったプロジェクト。2010年のスタート以来、コルク栓の回収に協力しているパートナーは、関東、関西合わせて約700店舗にのぼる。現在は再資源化とのバランスを取り新規のボックス設置はストップしているものの、回収は順調に行われている。回収されたコルク栓は、不要な金具の排除、再生できるものとできないものへと分別され、洗浄。その後メーカーもとで粉砕、形成され、シートやブロック状の製品素材として再生する。リサイクルにともなうエネルギーが問題視されることもあるが、殊この再生化の工程においては、粉砕と形成がメインの工程であるため、大きなエネルギーの使用が必要ない。コルクはリサイクルと親和性の高い素材なのだ。

渋谷・神宮前 TRUNK(HOTEL)のバースツールに

コルクそのものの特長も素晴らしい。弾力性、保温性に優れ、耐水性もある。そしてなにより温かみがある。プロダクトとして生まれかわると、その魅力が一層冴える。渋谷区・神南、ソージャライジング(※)をコンセプトにするTRUNK(HOTEL)では、バースツールとしてカウンターにしっとりと寄り添っていた。アーバンで洗練された雰囲気の中に、コルクの色味と温かみが安心感を与えている。そこに隠されたストーリーを知る人も知らない人も、無意識にほっとしているにちがいない。
両者の出会いは、偶然。同ホテルの準備室が青山にあった頃、担当者がたまたまショールームで「STOPPER STOOL CLEAR」を見かけたことがきっかけ。ホテルのインテリアとして取り入れたいと要望があり、オリジナルのバースツールが誕生したという。同ホテルにもコルクの回収ボックスが設置されていて、自分たちが楽しんだワインのコルク栓が、回収され、その後どうなったのか「はじまり」から「終わり」までを完結している環境となっている。
※ソージャライジング:自分らしく無理せず等身大で社会的な目的を持って生活すること

あの日のコルク栓と再会するかもしれない奇跡

他にもバラエティに富んだコースター、崩れた時の音が気にならない積み木「TOKYO CORK BRICK」 、壁に貼って楽しむコルクタイル「HONEY COMB TILE」など、さまざまなプロダクトを展開中。スツールをはじめこれらはWEBサイトから購入可能。あなたがいつか飲んだワインのあのコルク栓が、素敵なプロダクトになってあなたのもとに帰ってくるかもしれない。東京で起きている資源循環と小さな奇跡に、乾杯してみては。


【TOKYO CORK PROJECT公式サイト】
http://tokyocorkproject.jp

「出会う」ではTOKYO CORK PROJECTの北村真吾さんのインタビュー記事を掲載中。こちらからどうぞ。

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