植物のエネルギーをぎゅっと詰め込んだ、 Liv:raの草木染めランジェリー

使う

それは、草木が分けてくれた「命の色」

「花の命を着る。」がコンセプトのランジェリーブランドLiv:ra(リブラ)。眺めているだけでも心浮き立つようなチアフルなカラーリングが印象的。ところで、花の命を着るとは───実はこれらのランジェリーはすべて、化学染料を一切使わず、2000年前から日本に伝わる草木染めという技法で染められたもの。ピンクは茜、イエローはマリーゴールド、ネイビーは藍、ブルーはくちなしなど、シンボリックな愛らしく発色の良いカラーは、天然の草木が分けてくれた命そのもの。素材には、品質と着心地を重視した選りすぐりのシルクや、厳格な基準をクリアしたオーガニックコットンを使用。草木染めとの相性は抜群で、天然のウォッシュ加工のような風合いに仕上がるという。植物のみずみずしさや天然のエネルギーを詰め込んだランジェリーは、身に着けるたびに癒しと不思議なパワーを与えてくれそうだ。

草木染めにこだわった理由

世界の淡水汚染のおよそ20%は、ファッション業界から排出される化学染料によるものと言われている。同ブランドが天然の草木染めにこだわる理由はここにある。染色を担当するのは京都の熟の職人。新万葉染めといわれる技法を用いて、一点一点、手作業で丁寧に染めあげている。この新万葉染めは、色素を微粉砕することで色素の定着を安定させ、さらに色落ちも軽減するという独自技術。一般的な草木染めよりも染料の量が少なくて済み、コストダウンにも繋がる。しかし色素が定着しやすい技法とはいえ、洗濯と経年による色落ちは避けられない。そこで、自宅で簡単に染め直しが出来る「染め直しキット」も開発。約11分でしっかりと染めることができるそうで、その工程自体も愛着を生むにちがいない。モノを大切にするブランドのマインドが伝わってくる。

買い手にも、作り手にも、地球にもやさしく

購入はオンラインショップから。余分な生産が発生しない受注生産スタイル。作り手にも地球にもやさしい仕組みを導入している。注文を受けてから製造に入るため、もちろん購入してすぐには手元に届かない。だからこそ買い手は、本当に欲しいものなのか、本当に必要なものなのかを一呼吸置いてきちんと考えてから購入することができるのではないだろうか。Liv:raのオーナーでデザイナーである小森 優美(こもり ゆみ)さんは、もともとファストファッション業界の出身。環境汚染や大量廃棄など、ファッション業界にはびこるさまざまな問題に疑問を感じていたことも、この仕組みの導入につながっている。

エシカルな考え方はブランドを飛び出し、新たな活動を生んだ。2018年に設立した、小森さんが代表理事を務める一般社団法人TSUNAGUでは、世界でもジャパンブルーと称される日本の伝統技術「本藍染め」を軸に、エシカルを広める活動を行っている。「TSU.NA.GU.」というブランドを立ち上げ、本藍染めを用いたアイテム販売のほか、草木染め体験ができるワークショップやトークイベントなどを開催し、エシカルに興味・関心のある若者とエシカルとの関わりを途絶えさせないことを目的に活動している。また、縁の下の力持ちである藍染職人をフィーチャーすることで本藍染め自体の魅力も発信。「後継者問題の解決に少しでもつながれば」と小森さん。こちらでは不定期ではあるが、本藍染めの靴下などを販売している。渋谷でも度々トークショーやイベントが開催されているので、ぜひ併せてチェックしてみてほしい。

【Liv:ra 公式サイト】
https://www.liv-ra.com

【TU.NA.GU. 公式サイト】
https://www.tsunagu-fashion.com

「出会う」ではLiv:raオーナーでデザイナー、エシカルを広める活動を行う「一般社団法人TSUNAGU」の代表理事を務める小森 優美さんのインタビュー記事を掲載中。こちらからどうぞ。

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